とある絨毯屋でのとある叔母さまのひと言
ギャッベ
(ペルシア語: گبه)とは、ペルシャ語で目が粗くて毛足が長い絨毯を意味する。ギャベともいう。イラン・イスラム共和国の南西部に位置するシラーズ州を遊牧する部族カシュガイ(カシュカイ)族(en)、ルリ族(en)などによって織られる遊牧民の手織り絨毯。

こんにちは、さとうです。
会員さんはもちろんご存知ですが、東京ヨーガセンターではヨガマットは使いません。
クラスを行うスペースは全面に絨毯が敷かれていて、パーソナルスペースを確保するための大きめのタオル、またはお気に入りの布などを使います。
僕はこの絨毯&タオルスタイルがとても好きです。
数年前のことですが、昔から気になっていた部族絨毯の世界。
高級すぎて手が届かない代物と思っていましたが、ふとオークションサイトで手が届く範囲の商品が出品されているのを見つけ、これなら手がとどく!と思い、家でも絨毯でヨーガをしたい!と、気分が高まりお気に入りを見つけるべく部族絨毯について調べまくりました。
部族絨毯といっても、その国やその部族によって様々な模様や特徴があって、僕が気に入ったのが上の説明にあるギャッベです!
高級な絨毯をイメージすると、ピシーッと細かく小さな花柄が左右対称に並んでいて、キラキラのシャンデリアの下の、大きなピカピカなグランドピアノの足元に敷いてある、“あのペルシャ絨毯”とは大きく違い、ギャッベは柄が大雑把で左右対称なデザインもけっこう曲がっていて、なんともブサイクな感じが微笑ましく魅力的なんです!



素人目ですが、そのギャッベの世界でも、ホンモノっぽいのとそうじゃないものの雰囲気を感じていて、これは!と思うものを見つけ、イランのおばちゃんが出品しているであろうオークションサイトで、値下げ交渉をしまくり、お気に入りのギャッベを数枚ゲットしました。
今ではヨーガ用を生活スペースも寝るときもギャッベの上です。なにせそれくらい毛足が長いのです。
絨毯やさんの小さなおば様たち
新宿御苑の近くの異国の空気が漂う絨毯屋さんを訪ね、さらに詳しくギャッベのことを知る機会を得ました。
そのお店は、60代くらいの小さなおばさま3人が営むお店で、部族絨毯の魅力に若くから取り憑かれ、現地を赴き買い付けをしているお店です。
なんと、ギャッベの本も出版されているという大先輩たちで、たくさんの絨毯を広げて見せてもらいネットにはない多くの知識をたくさんお話していただきました。
とは言ってももちろん向こうは商売ですので、15分に一度は強引に桁違いの高級絨毯を売ろうとしてくるのですが、やんわり営業はかわしつつ、3時間ほど貴重な部族絨毯のお話を聞かせてもらいました。(こちらも買うそぶりをしないと、たくさんの絨毯は見せてもらえないので微妙な駆け引きをしていましたが…)
文化と産業
話を聞いていて、僕が感じていたホンモノっぽさとそうじゃないものの違いが
ホンモノと感じていたのは現地の人たちが実際に生活に使い、ユーズド感をまとって町の市場に流れつき、
そしてホンモノと感じなかったものは、外国人が部族の生活を保証する数年分のお金を積んで、コンテンポラリーデザインを指示して近年生産されたものだったのです。
そのような産業化により現在部族の若い人たちは、生活のために工場で働くようになり、元々の遊牧生活から離れていっている傾向があり、アンティークやオールドのような代物はもうほとんど出てこないと聞きました。
「なるほど~、時代の流れと産業化の境界線がデザインに出てるわけですねー!」
と納得していると、ひとりのおばさまが、
「昔はね、
と、感慨深いことをポロリと言いました。
続けて「昔はね、お金がなくてもね、愛する家族のためや生活のためにたっぷり時間をかけれた時代だったのよ」と言います。
貧しくも豊かな時代か~…。
豊かさってなんだろう、、、
なんでもお金で手に入る時代に産まれた僕は、生活のためにたっぷり時間をかけたアンティーク絨毯に、豊かさってなんだろうと考え直す機会を与えられました。
沢山のお話を伺えて流石に手ぶらでは帰れず、おばさま達が出版されているギャッベの本と、タイはアカ族のアンティークの刺繍の布を買いました。愛する子供のサラシであろうという布には、魔除けのための細かい刺繍が施され、おばさまのいう“貧しくも豊かな時代”の雰囲気を存分に見ることができてお気に入りです。
大切に使います。

後になって、おばさまがいっていたその豊かさとは、「文化」
【文化】
1.世の中が開けて生活水準が高まっている状態。文明開化。 「―生活」
2. 人類の理想を実現して行く、精神の活動。
それに加えて、、、
【産業】
産業(さんぎょう、拉: industria)とは、

佐藤昭英 / さとうあきひで