「気持ちの拠り所のようになっているのは、確かです」
出版社にお勤めで、いまも責任あるポジションに就いてお仕事をされている川崎さん。1年後に仕事から完全に離れるというで〝人生の変わり目〟を感じられているようです。69歳からヨーガを始めたとは思えないほど、とてもしっかりとしたヨーガをされています。
ヨーガは年齢にかかわらず、自分の状態に合わせてできるところが素晴らしく、やればやるほど、これは本当によく出来ている修練体系だなと感じます。 今のその人が持っている力を活性化し、からだの諸機能を調子良く働かせ、不安や心配や憂鬱をぬぐい去り、日々の目的に集中する力を養い、ポジティブな生命活動を促進する。それは何歳になって関係なく、人生に大切なことだと思います。
<会員インタビューNo.14>
【名前】かわさきさん
【年齢】71歳
【職業】出版社/顧問
【ヨーガ歴】2年3ヶ月
【実習頻度】週1回
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目次
1ヨーガと私
男でも歳をとっていても、恥ずかしさを感じることなく、ヨーガをできるのが良いです
ーヨーガを始めたきっかけ、動機は?
心房細動(不整脈の一種)になり、息が切れるような運動をすると胸が苦しくなる症状が出てしまい、それで、医者に激しい運動を避けるように言われたんです。 階段をかけあがるのも苦しいくらいで、それすらも避けていました。
でも手術するような段階ではなく、薬で抑えている状態でした。 テニスや卓球など、身体を動かすことが好きでしたがそれも息が切れて苦しくなるので、出来なくなってしまったんです。
ー運動が好きなのに、その症状はツライですね。
そうですね。「身体が動かせず寂しい」気持ちと、「これで運動をしなくなるのは、健康にも良くない」想いがあり、ネットで心臓のことを調べていたら、ヨーガが良いという話を見たんです。〝息が切れるほど激しくないけれど、身体も呼吸もしっかり使う〟というヨーガは、今の自分にあいそうな予感がしました。
心臓だけではなく肺の持病もあったので、ヨーガは〝呼吸をしっかりする〟ところが、肺を鍛えるためにも良さそうだと思いました。 医者にも相談したら「ヨーガはやっても大丈夫」と言われたので、やってみようと。
ーたくさんある教室のなかから、ヨーガセンターを選んだ理由はなんですか?
ネットでヨーガ教室を探しましたが、若い女性向けみたいなところがほとんどで、私が入る余地を感じられなかったんです。そんななかで、ヨーガセンターのホームページを見たときに、骨があって、まっとうな感じがしました。
最近の流行でもなく、アメリカ的でもなく、女性的でもなく、美容的でもなく、宗教的でもない。そういうものとは全然違うところが好印象でした。70年代からやっていることにも安心感がありました。シニアクラスもあるし、若い女性ばかりじゃない匂いがしたので、ここなら浮かないかなと思い、体験へ行きました。
実際、男でも歳をとっていても恥ずかしさを感じることはなく、自然と雰囲気にもなじめてヨーガをできたのが良かったです。
ー実際ヨーガを始めてみて、いかがでしたか?
ヨーガをしたことで、病気に対して何かすぐ効いたとか、治ったとかはないですが「これは違うな」という違和感もありませんでした。
最初から「これはきっと体にいいし、心にもいいな」という感触があり、割とスムーズに入れました。やっていて心臓や肺の苦しさもなく、このまま続けても大丈夫だと思いました。
いつもレッスンでは「無理せず、出来る範囲でいい」と言われるので、自分は無理するタイプですが、無理したくなる気持ちを抑えながら出来るところもヨーガの良いところですね。
ーこのヨーガ実習の、好きなところはどこですか?
ポーズをして最終ポジションで〝無理がなく快適な姿勢〟で静止しているときが、本当に気持ちが良くて好きです。ずっとそのままやっていたら気持ちいいだろうな〜と思う瞬間がよくあります。
あとポーズを終えたあと、シャヴァーサナ(仰向けでリラックス)で力がスーッと抜けていく感じも、気持ちが良くて好きな瞬間です。呼吸法も気持ちよくて好きですね。片鼻の呼吸で新鮮な空気が入ってくる感じとか、ハチの羽音の呼吸で、頭の中が振動する感じとか。
ーヨーガをしてよかったと思うことは?身体面の効果はどうですか?
ヨーガを始める前は寒い時期になると風邪をひいたり、咳がよく出たり、ノロウイルスになったり、そういう症状が出がちでした。でもヨーガを始めて2年、2回の冬を越しましたが、体調を崩していないので、それはヨーガのおかげなのかなと思っています。冬だけじゃなく2年間、とくに風邪をひいたり、体調も悪くないんです。
心臓と肺のほうも、検診へ定期的に行きますが、あまり悪い方に変化はしていないみたいです。
ー精神面の効果はどうですか?
プラーナヤーマ(呼吸法)をやっているからか、生活のなかで呼吸が浅くならないように意識するようになりました。 私は意外とせっかちな性格ですがそれが強く出てきたときは、ゆっくり呼吸をして、落ち着こうと意識するときがあります。
それとヨーガを始めるまえは、心臓のことで「運動も出来ないし、どうしたらいいんだろう?」という不安があったんですが、今はありません。 こうしてヨーガを続けていれば、悪い方にはいかないんじゃないかという安心感があります。気持ちの拠り所のようになっているのは、確かです。
ーご入会されてからずっと、ほぼ週1回/月4回ペースで、必ずレッスンに来るところが凄いですよね。
自分が決めたことを、きちんとやらないと、気がすまない性格なんです(笑)。努力とか、頑張っているわけではなく、自然と無理なく続けられている感じです。
ー生活/仕事への影響はいかがですか?
いま仕事は週1回の通勤で、あとはオンラインで様々なやりとりをしています。それで自分の自由な時間も増えたんですが、つねに仕事のことも気にしなければならない感じで。それはそれで、時間のコントロールが難しいところがありました。でも週一回でも〝金曜日はヨーガに行く〟と決めてから、生活にリズムができましたね。
<会員インタビューNo.14>
【名前】かわさきさん
【年齢】71歳
【職業】出版社/顧問
【ヨーガ歴】2年3ヶ月
【実習頻度】週1回
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2コロナ禍でのヨーガ
ヨーガのあと余韻に浸りながら、少しづつ日常に戻る時間が大切
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ーコロナ禍で、レッスンがオンラインに切り替わりました。ヨーガとの付き合い方、心境に変化はありましたか?
コロナで教室に通えなくなり、そのときに初めて「自分ひとりでヨーガをやってみよう」と思って、1ヶ月間ひとりでやってみました。 それで定着すればよかったんですが、インストラクターの方にリードしていただかないと、余計なことを考えてしまい、うまくいかなくて。やっぱりオンラインでやっていただいた方がいいなと思いました。
自分でやるときも教室でやっていたことを、1時間ちょっと、大体、一通りやっていました。でもなにか物足りない感じがあったんです。なぜかよくわからないんですが。
ーオンラインレッスンと、教室での対面レッスンは、どこが違いますか?
一人でやるのと比べたら、オンラインでやっていただく方が全然違います。
でも教室へ行って、そこで先生に見られてヨーガをするのも重要だと思いました。 練習を人に見られている方が
ちゃんとやろうと思うし集中力が全然違います。間違っていたら注意もしてもらえますし。見られてないところでやると「これでいいのかな?」という、もどかしさがありました。
なのでオンラインではカメラを開けて、教室と同じようにこちらの様子をインストラクターの方から見えるようにして、レッスンをすることにしました。それで、もどかしさはクリアされました。
ーオンラインでヨーガをしたあとの感触はいかがですか?
来所でもライブでも終わった後の心身の感触は、そこまで変わりません。年齢と持病もあり、外出はまだ気をつけていますので、オンラインでいつものようにヨーガを出来るのは、とてもありがたいです。往復がない分、ラクですね。
ただレッスンが終わると、オンラインだとすぐ境目なく日常に戻って、やることが待っている。でも教室へ行くと、終わったあと自転車に乗って、余韻にひたりながら〝気持ちよかったなー〟とか反芻する時間があって、少しづつ日常に戻っていく。 それがまた良い時間だったんです。
仕事でもテレワークが続いていて、体は自宅にいるけど、頭は仕事へいっていて、それって結構、難しい状態だなと思っています。 それがシームレスになって、パソコンを閉じればすぐ日常なんだけど、気持ちはなかなか戻らない。
そこにズレがある感じなんです。
確かにオンラインはらくですが、会社でもヨーガでも行き来の時間に気持ちの切り替えができていたので、
そこは意外に重要な時間だったことに気づきました。
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【3これから新しい生活様式でのヨーガと私】
充実させていく気持ちはどういうことろこにあるのか?
ーいまヨーガの中で興味があることはありますか?
瞑想が気持ち良いものだと思えるようになりたいですね。まだそういう経験ができていなくて、頭のなかがカラになったような状態が続いて、頭も心もリフレッシュした状態になれたら良いと思っています。
ーいつも瞑想が終わったあとはどういう感じですか?
完全に何も考えていなかったことはないですね。いろんなことが出たり入ったりして
色々な想いがゆきかって、時間がすぐに経って「あー終わったー」みたいな感じです。
ーそのときに心に葛藤が起こったり、緊張が走ったりしますか?
それはないですね。静かに落ち着いた状態ではあります。瞑想に関しては家より
教室でやった方が集中が深いような気がします。
ー座っている雰囲気を見ると、身体も微動だにせず集中されているように感じます。長い時間、座れるようになると、また瞑想での経験が変化していくと思います。ちなみに、このヨーガを誰かに薦めたいとすれば、どんな人に薦めたいですか?
私の場合は、ここのヨーガや教室の雰囲気に、違和感なくスムーズに入れたので良かったのですが、こういうのは相性があるような気がします。
ただ、このヨーガがもつ要素だけを考えて言うなら、自分の会社の人にも役に立ちそうだとは思います。身体のメンテだけじゃなく、精神的な面でも良いと思います。 息がつまりそうになったら、いったんリラックスして気持ちを開放して、客観的に眺めて、楽になるみたいなことは、仕事上でも役に立ちそうな気がします。
自分はそういう現場と離れてからヨーガを始めたので、自分の仕事に直接どうだかは言えないんですが、むしろ今、真っ只中で働いている人こそ、こういう要素は役に立ちそうだと思いますね。
そのためにヨーガの回数を増やしていくことも一つかなと思っています。いまの週1回は最低ラインという感じもしますし、毎日やっている人はやっていると思いますので。 〝回数を増やしたら、これがどうなっていくのか?〟ということには、興味がありますね。
ー今後の目標、チャレンジしたいことは?
完全に仕事から離れるのは1年後くらいですが、そこは人生の変わり目だと思っています。 仕事に長年関わってきて、そこから離れる経験がまったくの初めてなので、〝それがどういう世界なのか?〟〝どういう風にしていこうか?〟を考えているところです。
自由な時間が増えますので、そこを充実させたい気持ちは強いです。 もちろん趣味や楽しいことはありますが、
それだけで本当に充実感が味わえるのか?といったら、そうではないような気がしています。贅沢な話ですけども(笑)
〝充実させていく気持ちはどういうところにあるのか?〟そこに興味があります。 心身ともに充実するには、ヨーガは良さそうだなという期待や希望はありますね。