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障がいのある方が椅子に座って行うヨーガ 2021


荒川たんぽぽセンターは、心身障がい者(児)についての福祉・医療・発達・訓練等に関する相談に応じて、適切に問題解決が図られるように支援している施設です。 今年の1月~3月。荒川たんぽぽセンターで、障がいのある方が椅子や車椅子に座ってヨーガをする『リハビリ講習会~ヨーガを楽しもう』が行われました。全10回の講座。

毎年、身体の麻痺、脳や言語や視覚の障がい、パーキンソンや難病の方など、さまざまな障がい者の方が一堂に介しヨーガをします。始まりは確か2011年、今年で7回目だと思います。 さまざまな状態の方が一斉にヨーガを行うので、一人一人への細かな配慮/サポートが必要で、一筋縄ではいかない難しさもあります。 しかし、たんぽぽセンターの職員さんによる丁寧なサポートお陰で、僕も、参加者の皆さんも、安心して、集中して、楽しく、レッスンに臨めます。

椅子ヨーガで目指すこと

椅子に座って行うとはいえ、易しいヨーガ風の体操/ストレッチをして、お茶を濁すことはしたくありません(この方法はPOPではありますが)。 伝統的ヨーガのコンセプトにそって、アーサナ、プラーナヤーマ、瞑想にチャレンジします。そして筋肉、神経、内臓、呼吸、脳、心にアプローチし、心身が〝ヨーガ的な状態〟になることを目指しています。 〝ポーズのカタチの完成度/柔軟性の追求〟がヨーガだと思う方も多いですが、それがすべてではありません。 僕らが実践しているインドの伝統的ヨーガは、それとは異なるアプローチで心身を整え、鍛えることが可能です。とくに自律神経、脳、心へのアプローチに優れていて、そこはヨーガの得意分野と言えます。 伝統的ヨーガの方法自体も優れていて、人それぞれの状態にあわせて、快適に実習することが出来きます。それによって、心身が快調になります。練習を重ねれば、体が固かったり、不自由な部分がある人でも、心地よく実習できるようになると思います。

どのように伝えるか?

2021年の講習会は、視覚障がいの方が6名、言語障がいの方が3名、身体障がいの方が1名、計10名の方が参加してくださいました。

今回、僕の中で試行錯誤したことは〝言語障がいの方に、どのようにヨーガを伝えるか?〟でした。 視覚障がいの方や、身体障がいの方は、やることを言葉で伝えてヘルプすれば出来ますが、言語障がいの方はそうはいきません。言語障がいの方は〝話し手の声は聞こえているけど、その言葉の意味が理解しづらい〟ということがあるようです。

アーサナ(ポーズ)は動いてカタチをつくるため、目で見て理解できるので、問題ありません。しかしプラーナヤーマ(呼吸法)と、ディヤーナ(瞑想)は、見本だけを見て行うのは難しく、僕の声によるインストラクション・説明を聴きながらやらなければ出来ません。なので、どうやって、細部を伝えるか結構悩みました。 そこで、わかりづらい技法に関しては、やり方やポイントを紙に大きく書いて、それを見せつつ進行してみました。最初は紙を見せつつ行うのもよかったのですが、やりすぎると混乱を招いたり、正確にやらなければならない気持ちにさせてしまい、逆効果になるときもありました。

なので、途中からは紙を見せるのをやめて、僕も細かいことはスルーして進めることにしました。 すると不思議と相手も声の雰囲気を汲み取って、なんとなく出来てしまったりします。少しアバウトでもOKにして、安心して、気持ちよくやってもらう方が、効果あるときもあるよなーと思いました。

みんなの感想

たんぽぽセンターのスタッフの方が、皆様からヨーガの感想を聞いてくださいましたので、ご紹介します。

全10回にわたり、リハビリ講習会の講師を務めて頂きありがとうございました。多くの利用者様から、「気持ちが良い」「体が温まる」「夜よく眠れる」などの声を頂きました。また、先生のお人柄を慕う声も頂きました。 今回の講習会には、視覚障がいの方も参加されていましたが、先生の動きの説明はとてもわかりやすく、理解しやすかったと思います。

また、呼吸の説明も文章にして表現してくださり、理解を深める手助けになりました。 コロナ渦で人数を縮小しての開催でしたが、穏やかな雰囲気の中で、皆さん心地の良い時間を過ごす事が出来たと思います。本当にどうもありがとうございました。またお会いできる日を楽しみにしています」
(作業療法士のTさんより)

皆さんに喜んでいただけて感無量です。

そして僕がこの会を重ねてきて嬉しく思うことは、身体に不自由なところがあったとしても〝ヨーガ〟を出来る可能性は高いということです。 人それぞれ身体の状態は異なりますが、その人が、自分の身体の状態にあわせて実習できれば、〝ヨーガ状態〟を体験できるのです。それは尊いことだと思います。


このリハビリ講習会は、区のサポートによる福祉サービスとして、障がいのある方がヨーガを受講できるというものです。 家の近くで、慣れた場所で、仲間たちと楽しくできるのは、大きな安心感があるとおもいます。このような機会が定期的に増え、障がいのある方や、難病の方へのケアとして、ヨーガが浸透していくことを願っています。

もしご興味がある福祉施設やリハビリ施設の方がいらっしゃいましたら、
tyc@tokyoyogacenter.com
まで、ご連絡をお願いいたします。

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