リラックスのススメ
最近、あなたは本当にリラックスしたことがありますか?
リラックスは動詞。名詞はリラクゼーション、弛緩と呼ばれます。
リラックスの反対は「緊張(テンション)」。 体の現象としては、筋肉があちこちで短くなり、収縮している状態。 例えば、顔の引きつりや、そわそわしていたり、肩が上がりこわばっている状態のこと。
この収縮してしまった筋肉痛を伸ばして リラックスをしなければならないと エドモンド・ジィコブソン博士(※1)は言っています。
〝物を落として、大きな音が鳴った場合(驚きに対する反射)、 筋肉を過剰に反応させている人は、驚き反射は早く大きく、 筋肉をリラックスさせている人は、驚き反射は遅く小さいそうだ。
部分的に強く力を入れ、緊張をありありと感じ、しばらくしてから力を抜いていく。 その個所に広がる緊張と反対のリラックスが広がることを味わう。 こういった筋肉の弛緩を実行し、 全身に広げていくことでかなりのリラクゼーションを経験することができる〟 (※2)
よく「リラックスしたいなー」と言うとき、 私たちはどのような行動をとるでしょう?
気持ちのいい静かな場所にいったり、 良い香りをかいだり、マッサージされてみたり、 人や物、外部に求めていないでしょうか?
ジェイコブソン博士はこのように述べています。
〝自己の内部感覚世界を敏感に観察する能力を育成し、 つくりあげていかなければならない。 自己内部感覚への観察力が高まった状態を作りだすためには、 私たちは次の二つの単純明快な生理的原理を採用する。
【1】自分の緊張状態と言うものを自覚する 【2】その自覚された緊張をリラックスさせ、 リラクゼーション状態と緊張状態とを心の中で対比させることである〟 (※3)
と言うことは、リラクゼーションは外部からの経験ではなく、 自身の内部から起こる現象と言える。 さらに自分自身が「自覚」することが重要だと。
「自覚」は感じる力。気がつくことだ。 リラクゼーションとは、ヨーガを実習するにあたり、基本となる。
「ヨーガは、リラックスするものでしょう」
確かに。 ですが、リラックスは、自身の心身に起こる現象です。
数十分間のヨーガセッションの中で、 自身の心身に起こる「緊張/弛緩」の対比ができることで、 「あ〜、リラックスした〜」 となるようです。
インストラクターの口当たりの良いことばや、 良い香りなどではなく、、、。 生理的現象として起こっている緊張と弛緩の対比により、実感すると言えます。
また、科学的定義としては、 緊張は骨格筋の線維の収縮(短くする) リラクゼーションは筋繊維を長くすること。(※4)
これを現実的に筋肉に実戦していくことで、緊張から自由になっていくことができるのです。
ではヨーガでリラックスとは?
ヨーガの練習では、 リラクゼーションは基本(ベース) とっても主観的な練習。
自分の体、内部に起こる微細な変化や反応に だんだんと気づくことができるようになっていきます。
リラックスは練習することで、 上手にできるようになると考えられます。 また自然と体に起こる現象でもあり、 この起っている弛緩をじっくりと味わうことがとても大切なのです。
ヨーガの練習では ヨーガ・アーサナ、『シャワーサナ(Savasana)』で このリラックスを何度も何度も経験していくことはとても有効です。
アーサナによる適切な緊張と、その後のリラックス。 この反復が本当に良いです。
これらは筋肉の再教育とも言えて、適切な筋肉の緊張バランスにより、 姿勢を保持したり動作がなされるようになるための良いトレーニングになります。
そして継続すると、姿勢/動作に無駄がなくなり、疲労も減っていきます。
リラックスは練習によって実行可能なのです。 また繰り返して行うほどに、向上し、また私自身もそれを経験していきます。
ぜひ自らヨーガを通して、 リラックスの練習もおこなっていきましょう〜!!
●参考文献 「リラックスの科学」F.J マクギーガン 訳/三谷恵一、森昭胤 昭和63,1,20発行 講談社
1 アメリカ、シカゴ生まれ 1888-1983 2 要約p7,8 3 引用p48,49 4 要約p47