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ヨーガレクチャー 自己をめぐる探究@ツォモリリ文庫【レポート】


調布市仙川にあるツォモリリ文庫(手仕事ギャラリー/アートスペース/カフェ)で、ヨーガクラスがスタートしたから早2年半!僕は毎週月曜日、ここに来ることを心から楽しみにしています。 ここに集まる皆さんは、アートや文学に興味がある人が多いからか、ヨーガ後の感想タイムでは、独特なコメントをしてくれる人が多く面白いです。日頃から〝自己と向き合うこと〟や〝精神性を高めること〟に価値をおいているから出てくるコメントなんだろうな~と思いながら、いつも嬉々として聞いてます。そんなツォモリリ文庫でも、いよいよ理論面への熱が高まり、レクチャーをやる運びになりました。

レクチャーは9/20(月祝)/秋のツォモリリマルシェにて。品質にこだわったアイテムや、アーティストたちのワークショップなどが大集合する2週間。そこにヨーガのレクチャーを入れていただけて光栄です。
https://bit.ly/3u0BQJg

さて、どんな内容にしよう、、、?
ツォモリリ文庫のあきこさん、おかずくんは、ヨーガの核心に迫る内容を熱望されていたため、考えに考えた結果POPさは捨てて、「自己をめぐる探究」というタイトルでレクチャーをすることにしました。

僕にとってのヨーガとは、〝じぶんとはなにか?〟を考え、より良い自己を探究し、実現すること。そして苦痛と苦悩を除去し、幸福な人生を創造すること。ヨーガの実践はその実現にチャレンジすること。ヨーガもそう言っているし、自分でもそう実感しています。

それは現代的なヨーガの定義としてスワミ・クヴァラヤナンダが提唱した〝Integration of personarity/人格の統合〟という解釈に置き換えることができます。


ヨーガは、〝わたし〟という存在をつくっている五要素(身体的/心理的/感情的/社会的/精神的)にアプローチできるもの。この五要素は関わりをもって影響し合い、〝わたし〟という人間のあり方に大きく影響しています。 この五要素すべてが衝突することなく、調和をもって機能している状態が理想とされます。五要素すべてが等しく大切であり、体だけの健康、心だけの鍛錬、精神性だけの追求、だけではないということです。
ヨーガとは人間存在全体にアプローチできるユニークな修練で、こんな修練は他には見当たりません。

そういうわけでレクチャー「自己をめぐる探究」 ヨーガは技術と理論の両輪で進みます。知識はヨーガの取扱説明書であり、道標です。伝統的に継承されてきたヨーガの〝知識〟をインストールすることで、自己の深遠な領域に進んでいくことができます。そしてヨーガによって獲得した〝好ましい感覚〟を常態化させ、その感覚を日常生活に循環させるためにも役立つのです。そのために必要な知識の一端を、伝統文献『ヨーガ・スートラ』(BC200~AD400年頃成立 )を中心に見ていくことにしました。

内容は
ー古代のインド人は世界をどう捉えていたか? 
ーヨーガとはなにか? その中核にあるものはなにか?
ーヨーガのルーツ、語源、思想背景 
ーヨーガのコンセプト・目的 
ーヨーガによって出来ること 
ー人間が生まれ持っている心の構造的な問題
ー心身をアンバランスにするもの 
ー心の制御の方法etc
ーヨーガの現代的定義と応用

インド哲学/ヨーガには〝苦の除去〟というテーマがあります。人生でやってくる様々な苦痛と苦悩に対し、その原因を追求し、考察し、理論を構築し、除去する実践もついてきます。 〝苦痛と苦悩〟などと言うと悲観的でネガティブに思うかもですが、それとは真逆の意思と行動があります。なぜならインド哲学/ヨーガはそれに打ちのめされて嘆いているわけでも、塞ぎ込んでいるわけでも、荒くれているわけでもないからです。 現代でもその考えを自分の現状にあわせて理解し、実践していけば、さまざまな葛藤、苦痛、苦悩は、少なからず解消へと向かっていくことでしょう。そのように人生に起こる問題に対し、数千年にわたる知と技の蓄積があり、ヨーガは有益な方法を持っています。いま時代は不安定でストレスフルな状況にありますが、ヨーガは自分の存在の軸をつくるのに役立ち、前向きに人生を歩む力になるのです。


そんなわけで伝統文献を引用しつつ、ヨーガの理論を2時間半にわたり、見ていきました。 冒頭に述べたように、ツォモリリ文庫のお二人からは〝ヨーガの核心に迫る内容〟というご要望をいただいたのですが、そのためにはインド哲学の話を避けることができず、これはカンタンな話ではなく、一般的にも理解され難い内容です。 そのため、リアクションが少し心配だったのですが、皆さんから好反応が得られ、とても嬉しく思いました。レッスンだけではなく、ヨーガの知識までも、皆さんに興味をもっていただけたことを、心から嬉しく思いました。そしてツォモリリ文庫のサットヴァ(純粋性)に満ちた空間でこのレクチャーができたことを本当に幸せに思いました。


さて、レクチャーは無事終了しましたが、じつは、ここからがヨーガの面白いところです。

ヨーガの話はあとからジワジワと効いてくるからです。何年もかけて、理解が深まります。ヨーガの実践を重ねるごとに、この話の意味がわかってくるのです。それ自分のヨーガ実践を深くします。同じことをやっていても、ヨーガの知識/理論を知ってやるのと、知らないでやるのとでは、ヨーガの経験は大きく異なります。多くの人はそれを信じませんが、これは本当のことです。

たとえるなら植物の知識がない人が森に入っても、ただの草木にしか見えません。でも知識のある人が森に入れば、植物は食べ物や薬に見えたりもします。知識は見えるもの、感じること、経験を大きく変えていくのです。

そのように実践とともに、理論/知識を獲得した人が、辿り着ける領域があります。そういうところもヨーガの面白いところです。だから、もっともっとヨーガの話に関心を持つ人がふえることを願っています。本当にこんなこと考えたインド人てすごいですよ。笑。

すなお

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