こんにちは。
ヨーガもヨーガスタジオもヨーガインストラクターも世の中に溢れるくらい増えました。
供給先が増えると、習いたい方の選ぶ理由はより細かくなってきていると感じています。
でもそれと同時に、ヨーガを習う理由、続ける理由にも変化があるように感じます。
今日は「体験レッスンにくる動機はヨーガにマッチしているのか?」についてです。
目次
体験レッスンにくる時の動機
習いごとや新しいことを身につけるとき、各人の熱意と必要性によって、行動もモチベーションも異なります。
ヨーガを始める動機として、いくつかのパターンを挙げてみます。
<グループ1/問題の改善と改善して向上させたい>
①自分の今ある問題(身体的、心理的、感情的、人間関係)をヨーガでなんとかしたいと期待を抱く
②今ある不調の改善に他のものを色々試した中で、ヨーガを試したい
③それなりに健康だと思っているけど、自分自身を見直したい(体、心、生活、習慣)、よくしたい。
まず今困っていたり、問題に直面している場合は、真剣に自分に合うものを探しています。
辛さ、痛み、違和感、などこのままにはしておきたくないものを抱えている。
これらの方は、まず体験レッスンでの経験が重要で、この時に今ある問題、不調へのインパクトが
その時のヨーガの印象になるようです。
「体が楽になる感覚、」「気持ちよかったという感覚」「落ち着いた(呼吸、気持ち)という感覚」「リラックスできたという感覚」
これらのポジティブなフィードバックを感じられると、「ヨーガは自分に良さそうかもしれない」と期待をもつことができるようです。
でも不調のある方は、体の反応(フィードバック)を素直に感じられない、感じていてもよいものだと認識できない時があります。
すごく体は楽になり、気持ちよさをかんじたのに、「これは自分に合うのか?」を判断できないケースもあります。これらの場合、時間を置いて、受け入れることができる場合もあります。
<グループ2/今の自分よりもう1ステップ上への手段としてヨーガ>
④運動ではない部分で自分を磨きたい(心理的、精神的)
⑤そこまで大きな問題になっていないが、慢性的な不調がある
ヨーガ自体に良いイメージや期待があり、実際に経験して自分に合うかを確認してマッチしていれば、始めることができる。
頭で「ヨーガを始めた方がいい、ヨーガはいいものだ」という先入観より、その時の体験で判断されることでしょう。
これらの方は、大きな支障が出るほどの問題は表面化していないが、「もう少し調子をよくしたい」「自分に良いこと(プラスの作用をもたらすもの)を探している」「身体的な面より心理的、精神的な側面でヨーガが良さそうとイメージを持っている」
ヨーガレッスン以外の、雰囲気や、システム、学べること、続けた先に自分はどうなれるか?のイメージも大事な判断材料になると思います。自分の意志や目的が、わりと明確な場合、判断はしやすいようです。レッスンの印象が良いと、「これを自分は続けると良さそう」と希望と楽しみが湧いてくるようです。
<グループ3/「なんとなく良さそう」情報とヨガってこんな感じだよね>
⑥世の中の「ヨーガはなんとなく良さそう」だからやってみたい
⑦体を動かしたいからヨガをしてみたい
⑧瞑想とか良さそうだからやりたい
⑨ここは本格的だからやってみたい
これらの動機の場合、今すぐヨーガを選ばないといけない優先度が低く、またヨーガではないものでも満たされる理由だったり、ヨーガを選んでいる理由が明確ではない場合が多いです。自発的な理由や必要性ではなく、一般的、人からの意見、よくあるイメージでの期待が大きいため、自分から求める優先順位がそれほど高くないです。
またヨガとは「こんな感じだろう」というイメージは人それぞれであるため、自分のもつイメージが、伝統のもとにあるヨーガの定義や原則に含まれていない場合、求めるものと違う、と感じます。(弊社でのレッスンを受講した場合)
今すぐ始めなくても困らないし、求める要素は他にあるかもしれないです。
これらを少し掘ってみます。
あなたが求める「体を動かす」とは?
その例として「特に体を動かしたい」という動機を詳しく掘り下げて欲しいのです。
・運動的に激しく体を動かしたいのか?
・筋肉をつけたいのか?
・体を動かすことのみが目的なのか?
・柔軟性だけ求めているのか?
もしこれらの理由だとしたら、インドの伝統的ヨーガ、東京ヨーガセンターのヨーガは希望に沿わないでしょう。
運動をすることや、他のボディワークをした方があなたの希望に叶います。
体をあまり動かす習慣がなく、運動はハードだと思う方で、まずヨーガを初める方は多いです。でもヨーガは決して「優しい運動」ではなく、体の動作姿勢をスムーズにし、筋肉、神経系、体全体の協調性を高める練習です。
なのでヨーガを続けて、運動にトライできるようになる、というのは自然な流れです。
また運動をしながらヨーガを続けることも、体の協調性が向上するので、動作や姿勢が安定し、力を入れすぎず効率的に行うことができたりします。
もう一度言いますが、決して間違って欲しくないのは、「ヨーガは優しい体操」ではないのです。
そして、難しくてきついわけでもないです。
さらに、ラジオ体操のように、みんなと同じことをする必要はありません。
自分のフィーリング(感覚)を主体に行います。
ヨーガは、各自の体調、心理状態、レベルに応じて行います。運動とは体を動かす目的、原理、技術が異なります。
マッチョの方がヨーガを試すと「すごくきつい、、、」と言われるのを何度も聞いたことがあります。
どんなに重いベンチプレスを上げられても、アーサナの保持はきついというのです。
これは明らかなトレーニングの目的の違いがあるので、テクニックが違うのです。
ヨーガの体のトレーニングは、【心にアプローチをするためのもの】です。
目指すのは、瞑想をするための体のトレーニングと心の準備です。瞑想はヨーガの主要な練習で、高度な練習です。心のトレーニングです。すぐに瞑想はできないし、十分な準備が必要です。
レッスン以外の決め手、「近い」は本当にヨーガを始めたい理由なのか?
そして続けるからには、環境も続ける要因になります。
通える曜日時間帯か? 利用システムも対応できるか?
ここ近年、ヨガの場所が増えて確実に理由になったのが「近いから」。
センターに体験レッスンにお見えになる理由も「近いから」という方も多くいらっしゃいます。
これは、習い事を始める、続けるにあたって重要ですが、「近い」だけで求める内容が伴わなければ、もちろん継続はできません。
反対に「近いから」だけの理由を優先すると継続は難しいです。
忙しい私たちは、時間、お金を厳選して使います。一日24時間の中で、自分に必要なもの、好きなもの、自分によいものに時間とお金を使いたいのです。
「近い」「簡単」は、何かを続けるときに重要ですが、それだけが理由になると内容への理解や興味は薄く、習得するまでにたどりつきません。
特にヨーガは、マッサージのように誰かに何かをしてもらうものではありません。
自分自身が自ら経験します。そして実感、自覚があることで、その経験が自分のものになります。感じるのは、本人のみです。
誰かがそれを細かく解説してくれて、わかるものではありません。自分の体と心に起こるヨーガの作用を感じられるのは「あなた」だけです。
インストラクターの耳触りのよい言葉や、なんとなくの周りの雰囲気(室内、匂い、人、サービスなど)、インストラクターが作る世界観に効果や、自分を満たすものを求めるのはヨーガではないのです。
ヨーガは、今ある”自分の体と心に向き合う”時間です。日常生活では気がつけないことがたくさんあります。五感は外に向かって働いていますし、常に今ある外部の環境に適応して活動しています。
自分の内に意識を向け、何をどのように感じているのか?今自分はどのような状態か?を落ち着いて感じる余裕は通常なく、訓練なしに自分を観察することはできません。
思考と感情が先走り、実際の”今”の自分の体や心は置いてけぼりになっていることも多々あります。
そんなバラバラになってしまったような感覚を調和させるのがヨーガです。
周囲の世界に飲み込まれて、本来の自分の感覚やペース、自分自身に戻る時間、戻ることがヨーガです。
これらを参考に求めるものが”ヨーガ”にありそうと感じた方は、ぜひ試していただきたいです。
全ての手段は目的に応じてあります。
ヨーガは広く健康のために知られていますが、ヨーガの健康観とはどんなものなのか?を知ると、自分の求めるものとマッチするかを測ることができます。
ヨーガの健康観とヨーガで得られるもの
ヨーガの健康とは人間を構成する5側面「身体的、心理的、感情的、社会的、精神的」この5つの側面が調和した状態を言います。
私たち人間が持つこの5側面全てがよりよく機能すると、「私」という人間は【調和】の状態になります。
常に取り巻く環境で変化をしますが、環境や状況に振り回されず、しっかりを自分自身をコントロール(制御)することができれば、翻弄されることは減っていきます。
特に心はいつもいろんなことに巻き込まれていきます。落ち着いて、心の平衡、平静を保ち維持していくことが、多く問題への取り組む姿勢、感じ方、判断、行動に変化をもたらします。これを長い時間をかけて訓練をしていくことで、自分自身に変容が起こります。
これまで問題だったことが、自分の感じ方や対処が変わると問題でなくなる、問題の原因に気づいたらそれらを改善する行動をする、好ましくない古い習慣を良い習慣に変えていく。自分の心の性質、反応を変えていく。
全て時間がかかるものですが、この変化のプロセスでの気づき、経験は全て自分を成長させてくれることでしょう。
ただ体だけが健康になりたいというだけならば、ヨーガでなくてもよいのです。
体だけでなく、自分自身をよりよくしたい、それに全力であらゆる側面から取り組むことを求める方は、きっと続けることでヨーガの恩恵を享受できると思います。
結果として、健康な状態になり、以前よりも今の自分はまあまあ調子がいい、となるでしょう。そして少しずつ問題や、不安や、心配が少なくなり、気がついたら「ああそんなことに悩んでいたな〜」と笑い話にできる時には、もうあなたは違う自分になっていると思います。
そしてそれをまた維持して、次のステップに進んでいくことでしょう。
求めるものとマッチした場合、「ヨーガを続けていくためにすること、見直すこと」を次回は書いてみます。