ヨーガを続けていくためにすること、見直すこと
いろんな理由からヨーガを習うことを始めた方へ。
「継続していくために必要なこと、見直すこと」について、
これまで当センターの多くの会員様をみてきた主観的統計として、挙げてみたいと思います。
目次
”やる気ボーナス期間”に定期的なレッスンを
新しいことを始めたときに、1番熱量があるのは、始めてからしばらくです。
1〜2ヶ月くらいでしょうか?この時期にいかに定期的にレッスンに参加できるか?また回数をこなせるかが、重要です。
ですが、予期せぬ多忙や、時間を取れない、ということも稀にあります。ですが、なんとかこの最初の1.2ヶ月は必死で参加していただきたいです。
実際ヨーガレッスンの時間がどれくらい取れるか?も含めて、入会3ヶ月間は【優先順位】を上げて取り組んでいただくことをお勧めします。
どんなこともやる気、熱意が押し上げてくれます。そしてヨーガはレッスンを行うことで、自分自身がその効果を実感できると、また次も参加しよう!したい!となります。ポジテイブ連鎖をとにかく作りましょう。
”時間”の効果は大きいと知る
ヨーガをする時間を確保することは、生活全体を整えていく助けになります。
特に不調のある方は、寝る時間、食べる時間、休む時間、仕事の時間がうまく循環できていない方も多く、ヨーガと共に生活リズムを整えていくことが必要です。これで、不調の改善に向かう方はとても多いです。
「ライフスタイルとしてのヨーガ」とはまさに、生活リズムとライフスタイルが枠組みになります。
そのために「時間の意識」を変えていくことも大切です。ヨーガを生活に組み込むには、どんなスケジュールだったらいいのか?を考えてみましょう。
空いた時間にヨーガをするのではなく、ヨーガの時間を優先し、そこに合わせて、生活の時間を決めることは、自然な流れです。
ヨーガレッスンの時間を中心に前後の活動時間も決定、調整されます。それを継続すれば、新しい生活習慣にもなります。
さらに日常生活、スマホから、一時的に離れることも非常に重要です。
気持ちの切り替えには、一時的な日常時間との遮断が大きな効果をもたらします。
情報の多い現代、特に手持ち無沙汰でスマホ、動画視聴を軽々とできるので、気づいたら携帯をみてるという状態はありませんか?
リアルな今目の前にあることだけに、心を向ける時間をもちましょう。
五感を使って、”感じる”ことは、今に集中することです。ヨーガをして今に意識を向けていきましょう。
時間の概念は、個人的な感覚でもあります。特に心の影響を受けますので、焦っている、急いでいる時は、時間が早く短く感じ、またくつろいで、心に余裕があると時の流れがゆっくり感じることもあります。
心の動き(思考)は、私たちの行動より早く、心の変化に体、行動はついていってないのです。
ヨーガでゆっくりと動作し、静止するを繰り返すときに、今に意識を向けて行うと、徐々に心の働きもゆっくりになっていくことが感じられることでしょう。
欲張らない
「ヨーガ気持ちいいからたくさんしたい!」と思います。
やる気がありすぎて、たくさん参加しすぎるのは、長期的にはマイナスになる点もあります。
・雑になる
・効果を感じられない
・参加することだけに比重が傾き、ヨーガ後の心身の変化を感じていない
これらの方は、半年以内に飽きる傾向があります。
また6ヶ月以上続いても、この状態が続くと、ヨーガのよさを実感できず、「ヨーガはこんなものか」と浅い段階で見切りつける方もおられます。
1年以内は、基礎を身につける時期なので、この期間を急ぐ、焦る、真剣に取り組めていない場合、ストレッチ的なフィジカル面での効果しか感じず、十分なリラクゼーション、筋肉のトーンが整うこと、微細な感覚への意識を養成していく、までには、至らないです。
体と心の変化は少しずつで、変容していくまでには、長期的視点で取り組むことが近道です。
レッスンの参加回数は、定着させて、増やしていくとよいです。
自分の日常生活とともにあれるヨーガレッスンを構築していきましょう。
〈ヨーガ経験者へ〉今までの知識、技術は一旦置いて取り組む。
世の中、ヨガと名のつくものはたくさんありますが、目的、技術は様様で、同じヨガではありません。
インドの伝統にあるヨーガは、現代では健康科学として、その有効性が着目され、広がっていていますが、「インド」と名がついていれば、みんな同じヨガというわけでもありません。またインドとついていれば、
ですが多くの方はヨガの名前でしか判断しません。
例えば、ハタ・ヨガと名前がついていたら、みんな同じとおもうのです。
名前ではなく、どんな理論を基に、どんな技術を行っているか?が判断するポイントです。
ハタヨーガとは、中世に発展した身体的技法(アーサナ、プラーナーヤーマ、ムドラー、瞑想/ナーダヌサンダーナ)により、解脱を目指して発展した1つの体系です。有名な文献はスワトマラーマが書いた『ハタ・プラディーピカー』という文献です。他にもハタヨーガには主要とされる文献が5つあります。
またさらに後世に『ゲーランダ・サンヒター』という文献もあり、『ハタ・プラディーピカー』と同じく、現代の私たちのヨーガ実習の上で重要な文献です。
伝統文献の技法を中心に据え、現代人のレベルで活用していくことは、ヨーガの効果、恩恵を受け取ることに繋がります。
ヨガの名前は、ジャンルのように分けられていますが、そうではないのです。
名前が同じでも、各スタジオ、インストラクターにより内容は異なっていることが多いのが現状です。
個人がオリジナルで作るヨガ、◯◯とヨガを合わせた「◯◯ヨガ」、それが1つの新しいヨガの種類のように扱われています。それだと、なんでもありの、教える人の数だけヨガがあることになります。
教わる人が変わるたびに、技法も目的も結果も変わるなんてことは、おかしいです。習う方は、毎回大混乱します。
そしてヨガを習った経歴のある方は、今まで習ったヨガに、これから習うヨガを上乗せしていく傾向があります。
そしてそれぞれのいろんなヨガのスタイルがたくさんあると勘違いして、自分なりの分類をつけていきます。
「それは知っている。」
「私はこれまで◯年やってきたから。」
「私はできている。」
「これは、これ系のやつね」
と分類していくのです。経験したことのあるヨガは全部異なる種類。また名前が同じなら、技法や目的が異なっても同じヨガと思います。
1番残念なのは、今まで習ったきたいろんなヨガを混ぜ混ぜしていき、
「全然ヨーガとしての効果を感じられていない!」
「ヨーガで自分が求める問題解決ができていない」
ずっとこれまでやっていたいろんなヨガの技術を混ぜて行うと、どこまでいっても、適切な技術は身につかず、また再現性もなく、効果もいまいち感じないことが多いです。
それはとても残念です。自分の主観的解釈で、いろんな技法と、知識を混ぜると起こる現象です。
新しいことを習うときは、まずそのものをまっさらな気持ちで経験するようにしてみてください。
「◯年やっているから、できている、わかっている」の落とし穴に落ちないためにも。
自分のヨガをよく検証してみてください。
表層のできている、知っているではなく、
「私の経験していることはヨーガ的か?」→自分全体に調和がもたらされているか?
「私はヨーガの作用を感じ、心は落ち着いたか?」→フィジカル面だけでなく、心に働きかけられているか?
一旦新しい気持ちで取り組んでいただくと、思いこみや、情報の知識ではない、本当の自分の経験にフォーカスができます。
レッスンの枠組みを理解する
ヨガとつけばなんでもよいわけではありません。とくに、ヨガでないものに、ヨガを組み合わせて◯◯ヨガ、と名前のついたものがあります。
ヨガの効果、結果をだすなら、ヨーガの理論に基づいた技術を実習すべきです。
例えば、マッサージや鍼灸は、国家資格があるので、勉強しないといけない知識、技術的な基本事項は訓練され、試験で認められた方が施術者として、活動をします.
日本では、ヨガは国家資格がないため、訓練や勉強が不十分でも名乗ることができます。(自称もたくさんいます)
養成コースはたくさんありますが、ヨーガへの理解に誤りがあり、指導では安全管理面が不十分で、怪我や事故につながるほど無理をさせるようなことは、決してあってはいけないです。
また受講者も、誤った理解の上で行うことは、効果を感じないだけでなく、怪我はもちろん、より不調になったり、心が不安定になったりすることもあります。
安全性の確保、ヨーガとして効果をもたらすための技法への理解、理論は、受講される方の結果にかなり大き句影響します。
(*東京ヨーガセンターは、インド政府公認Yoga Certification board のCommonYoga Protocol Instructorの資格を持った訓練されたインストラクターが指導、インストラクター管理をしております。)
最低限、身体技法としては、アーサナ、クリヤー、プラーナーヤーマ、メディテーション
という構成のレッスンを受講することで、筋肉系、自律神経系、脳機能と全身にアプローチができますし、またヨーガ実習で重要なことは以下です。
●心を静める
●落ち着いた穏やかな心を育む
●心の平静さを養成していく
アーサナ(ポーズ)だけで、精神性、心理的作用を語る方もおられますが、アーサナだけの練習でその効果は得られないです。
アーサナで体がリラックスして、筋肉のトーンが整うことで、心理的な緊張は緩和してますが、心の傾向を変えていくには、アーサナだけでは無理です。恐怖、不安、心の葛藤を弱めていくにも、アーサナだけでは無理です。
必ず
アーサナ、プラーナーヤーマ、クリヤー、ディヤーナ(メディテーション)
と行うとともに、リラクゼーションを実感し、リラクゼーションを深めていきます。
そしてリラックスした状態で各技法を行い、そこに気づきと集中がおこると、ヨーガとして進歩していきます。
ポーズへのこだわりを捨て、瞑想だけへの偏りをなくし、シームレスにレッスンを行いましょう。
レッスンを重ねることで、ヨーガへの理解と信頼が増していきます。
良い結果だけを求めない
初めてヨーガをした時の”インパクト大”の方は多いです。
とても感激して、盛り上がる方もいます。
そして毎回お祭りのような派手な効果がやってこないとがっかりして、心配になります。
ヨーガではまさにこの極端な傾向を「中道的」に変えていきます。
平静な態度を養っていくことで、嫌悪渇望に振り回されないようにしていきたいのです。
もちろんヨーガは、心身が整い、気持ち良い状態になれるツールです。
でもそう感じられない時は、方法に誤りがあるのか?集中して取り組めていないのか?また食後の消化が不十分なのか?または過去の成功を追っているのか?など。
よく観察してみると、原因がわかる時もあります。
さらに原因がわからない日もあります。それはそれで構わないのです。
「今日はそんな日だった」と、まず受け入れてみてください。
その後に気づきが起こることもありますが、無理に原因を探る必要はありません。
とにかく【落ち着いた気持ち】でレッスンを受けてください。そしてどんな結果でも、それを客観的な態度で受容していきます。
「そんなこといっても難しいよ」
はい。最初はそうです。でもこのような態度で臨んでいくこともヨーガの練習です。
(ヤマ、ニヤマで心の態度を養成していくことも大事です。)
調子の良い日も良くない日もある。いろんな日があります。そしてそれは変化していきます。
「今日は、そういう日だ」
と平静に捉えてみてください。
そして自分のいろんな心の傾向を観察してみてください。
良いところは継続する努力
改善できるとこは改善へと
そして時間をかけて自分の心の態度、自分自身がどのように変化するかをみてみてください。
通常私たちの心の状態は固定されておらず、変化しています。今はいい気分でも、5分後は最悪にイラついていたりすることもあります。これが心のもともとの働きです。
でもヨーガ実習をすると、一時的に心の波が静まり、とても落ち着いた状態を短い時間で経験するようになっていきます。「あーなんて心は静かで、気持ちよく、落ち着いているのだろう」と。
でもこれはなかなか長く続きませんが、この状態が徐々に長く続くように、私たちは定期的な練習(訓練)をするのです。
さらにレッスンの中、レッスン後に様々なことに気づきます。それを継続していくと、自然とまた少しずつの変化がやってきます。
まとめ
せっかくヨーガに期待を抱き、始めるのならば、ヨーガとして進んでいき、ヨーガとしての効果、恩恵を享受していただきたいです。
ですが、最初の理解や期待が、ヨーガの性質とズレている場合、どこまでいってもヨーガの方向に進むことができないです。
体、心、精神の調和を目指しているのに、怪我をしたり、心を葛藤させたり、エゴを強めていくのは、ヨーガの成功と反対の方向に進んでしまいます。
包括的なヨーガの理解とともに実習を行い、【継続反復】することで効果や作用は自然と起こります。
自分の意志でコントロールしていくのは、やる気と熱意を持ち、時間を確保すること。そして継続すること。
そして自身に起こるヨーガの作用を感じられる(自覚できる)感受性を磨いていくと、
ヨーガは自分に何をもたらしてくれているか?に段々と気がついていきます。
よこしまな思いや欲望はヨーガの進歩を邪魔をします。
身体技法だけで、効果が出るのではなく、どのような心で実習を行うのか?が結果作用は変わります。
常に落ち着いた心で練習に取り組みましょう。
心が好き放題にするのを、そのままにしていれば、ずっと心に翻弄されていきます。
それに嫌気がさしたらなら、変えたい、と思ったなら、ぜひ真剣にヨーガに取り組んでみてください。
身体技法だけではなく(アーサナ、プラーナーヤーマ、瞑想)、必ずその実習を支える心の態度(ヤマ、ニヤマ)も一緒に育んでください。
そして自分の心の傾向、心のよい態度を身につけていくことも練習をしましょう。こちらが本当の意味で重要な練習です。
ぜひ時間をかけて、ヨーガの効果や作用を実感してみてください。
次は「ヨーガの効果を感じられない人に知ってほしいこと」について、書きたいと思います。