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もののけづくりワークショップ@ツォモリリ文庫

「評価の概念の外側の世界」という言葉にドキッとした。以前のすなおさんが投稿していたなんとも素晴らしく楽しそうな「もののけづくりWS」。

「センターでも是非やりたいです!」って口走ったことがきっかけで、すなおさんに任せっきり、ツォモリリ文庫さんに協力してもらい叶えて頂いたワークショップ。

当日、すなおさんの開会の言葉で、僕が言い出しっぺと聞くまですっかり忘れていました。

なんかすんません!

そして、ありがとうございます!

講師の香川さん


この企画は良い意味で子供向けのワークショップの様な、その発案者は講師を務めてくれる香川さん。

すなおさんの作ったチラシには、眉毛のないプロフィール写真と、九州から北海道まで絵を売って歩いて旅したエピソード。

あれ??

僕は過去に眉毛の無い変わり者2人に会っていて、2人とも芸術家。

なんと香川さんは、15年ほど前に香川県の直島に行った時に一度お会いしていた方だったのです!!

その時は、ほんの20分くらいの同席でしたが、その旅のエピソードと剃った眉毛が印象的で記憶に残っていました。

そんなこともあって、当日とても楽しみにツォモリリ文庫へ向かいました。

再会の挨拶をして、ゆるゆると準備して、ゆるゆると参加者さんが集まり、ゆるゆるとワークショップがスタート。

40体ほどの並べられた素焼きのもののけたち。

テーブルには、もののけの説明書とパレット。大小の筆。小学校の時ぶりに見た筆を洗う黄色いバケツ。適当に散らばった数々の絵の具。

なんかすでに楽しい雰囲気。

説明書にはこうあります。
・もののけを選ぶ
・はじめは深く考えずに好きな色を塗る
・落書きで遊ぶように描く
・1時間もすれば思いもよらないもののけになる

とりあえず僕は一目惚れした(単純に背が高かった)もののけを手に取って、いざ着色スタート。

みなさん、おもむろに絵の具を塗っていく、、、

うーーーむ。

僕はなんだか塗り始められない。

考えないで塗ってと言われても、どうしても考えてしまう自分の性格が発動。

やっぱり、、、。

とりあえず気に入った淡いベージュ、程よいトーンの何個かの青、朱色に近い赤、光沢の少ない黄色をパレットに出してみる。

しばらく色と睨めっこ。

自分の性格はわかっていたけど、塗り始められないのはこのワークショップのルール違反だと思って塗り始めたのだが、せこい事に素焼きの色とほぼ同じのうすーーーいベージュ。慎重な性格が発動、、、。

むむむむむーーー、やはりコンセプトがないと走り出せない!

向かいのテーブルの参加者のお二人はすいすい楽しそうに色を塗っている。

周りの人も塗ってる。

隣の人はマイペースに独り言をいいながら塗っている。

後ろにいたちあきさんも思いのほかガシガシ塗っている。

みんなのもののけが塗られれば塗られるほど同じっぽくしたくないと、ひねくれた性格が発動、、、。

いかんいかん、完全に評価の概念の中ではないか!!

やはり自分が好きな物を描こう、

そうだ、海だ海。

海のもののけにするしかない。

ベージュの空に青い海、悪くない。

と、もののけの下半身部分に青を塗ったら、タイツを履いた2:50分で知られる芸人みたいになったので慌てて路線を変更。

“塗る”行為はわざとらしいので技法を変えようと、たっぷりと筆に水を含ませて、もののけを逆さまにして、色を重力に任せて垂らしてみた。

お、なんか面白そうだぞ。

しかしそうする事で今度はタイツの青が肩のあたりまで流れて行き、まるでサスペンダーをした2:50分に!

ちがーーーう!!

なんとか修正をしようとパレットをみると、赤と黄色。

なんとなーく薄くなった青いボディーに赤と黄色をアクセントにイメージしたら、、、

ドラえもんになっちゃう!

ちがーーーう!!

うわーーー、やりなおしたーーい、、、

こうなったら全部一色に塗りつぶしてやろうと、投げやりな性格が発動。

とりあえず2:50分とドラえもんからイメージを切り離すために、ベージュを上から塗って仕切り直し。

するとベージュが青を薄く残し、思いのほか海面ぽい。

そして放置して渇き始めた水気のない他の青を当てると、陶器の微細な凸部分にだけ色が乗り、意図せぬ風合いが出て想定外な展開に!

“塗る”行為から離れたアブストラクトな雰囲気、これぞ自然体!

方向性が決まった!

こうなると、テンションが上がってきて、お調子者の性格が発動。

あとは、なんーとなくバランスを見ながら余裕をかましてサラサラと筆を当てていく。

ドラえもんのイメージを越えた、夕焼け色の赤と黄色も塗り足して、最後にゴールドを薄く塗ったらいつも海で見る夕陽の当たる海面のようではないか!

約2時間?のもののけ色塗りに、自分のいくつかの性格が映し出された気がします。

最終的には大満足で作業を終えれて本当に良かったです。

さて、葛藤多き僕の色塗りの話を前座に今回とても良いなと思ったのは参加者さんの感想です。

「いつもは何かを考えてモノづくり(仕事)をするけど、何も考えないで作り出すのが新鮮で、それでも完成するもんなんだ」というようなコメント。

なんだか、とても大切な事を教わった気がしました。。。

もちろん、事細かにイメージして、設計して手をつけることも大事だとは分かっているのですが、とりあえずやってみる精神は僕に足りない要素だと感じることがあるので、「あまり何も決めないでやってみる」というのはある意味でひとつの“技”なんだなと痛感しました。

評価の概念の外側に行くことや、とりあえずやる事ってなかなか勇気のいることだと思います。
ですから、このもののけにはそんな教訓を込めさせてもらいます。

みなさんありがとうございました。

そして、香川さんよりこの様なコメントを頂いていますので、最後に添付しておきます。

『今回印象的だったこと。皆さんの描くものが表面的な絵というよりは、内面から浮きでるエネルギーを感じました。陶のもののけのものなのか、はたまたつくるご本人のエネルギーかはわかりませんが、さすがだなぁと感心させられました。

手のひらに収まる小さな世界ですが、まだまだたくさんの表現方法があるなぁと嬉しく思います^_^』

おわり/さとう(佐藤昭英)

最高な雰囲気のツォモリリ文庫


みんなのもののけたち


勇気の込められた海のもののけ ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●香川大介さん
https://www.kagawadaisuke.com/

●ツォモリリ文庫
http://tsomoriribunko.com/
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