BLOG

ブログ

瞑想 〜過去に経験した〝嫌な思い〟を今に持ちこまない〜

〝嫌な思い〟をうまく処理できればよいけども、、、

生きていると〝嫌な思い〟をすることあります。
腹立つこと、悲しいことがあったり、不運に見舞われたり、心ないことを言われたりします。

問題はその出来事があったあと。その場でスパッと切り替えられる人はいいですが、皆がそうではありません。〝嫌な思い〟を処理できずに苦しんでいる人も多いと思います。

〝嫌な思い〟をした出来事は終わったハズのに、それを繰り返し思い出したり、考えたりすることで〝嫌な想い〟は成長・増幅していきます。時間を経過しても、再び傷ついたり、ムカついたり、イライラしたり、落ち込んだり、憂鬱になったり、不安になったり、自信なくしたり、やる気なくしたりと、
しつこく心を苦しめることもあります。ひどい案件になると、それが何年も何十年も力を持ち続け、時折それが今の自分を苦しめることもあったりします。

どうやら人間の心には、そのような性質も備わっているようです。つまりネガティブなものに自らがエサを与えて、助長させてしまうような、、、。

たしかに〝嫌な思い〟をしたのは外側からやってきたものかもしれません。でもその出来事のあと、それを悪化させているのは、悲しいことに自分の心の仕業だったりします。 〝嫌な想い〟をひきづることで、罪のないまっさらな〝今〟や〝未来〟がネガティブな想いに染めらてしまうこともあり、それはなんだか、もったいなく思います。

瞑想の練習を重ねていくと、そのような心の性質に気づいてしまったりします。それで僕の場合は「いろんなことを人のせいにしているだけじゃダメなんだな。ネガティブを助長してしまう自分の〝心の癖〟を改善する努力をしてみよう」と思うようになりました。

実際にその意識でヨーガ/瞑想を習慣化すると、内側から生じる苦痛や葛藤は減少していくのです。

社会では煩わしいことが多いのが普通なので〝嫌な思い〟を弱体化/除去する技術を身につけておくのは得策だと思います。その修練を長く繰り返すことで、日常生活にも穏やかな、平穏な、あるいは静謐な時間が確実に増えていきます。

心の動揺とストレス反応

ある研究によると、私たちは1日の約47%も現在のことを考えておらず、過去や未来のことを考えているともいわれます。

もちろん過去や未来に想いを馳せる力を持つことによって人間は生存し、創造し、進化してきたので、それ自体が悪いこととは言えません。素敵な記憶を思い出したり、過去を省みることは今を生きるの糧になると思います。より良い未来を想像することは、生きる上でポジティブかつクリエイティブな力になると思います。

しかしその過去と未来に想いを馳せる力が〝マインドワンダリング (心がフラフラとさまよっている状態。心ここにあらず。心の迷走)〟を起こすことで、自分の思考が生み出した不安や恐怖感に苛まれることも珍しくありません。例えば、ネガティブなことを思い出して葛藤したり、まだわからない未来のことを心配して憂鬱になったり。

マインドワンダリングがずっと続くと、ストレス反応が絶え間なく起きてしまい、ストレスホルモン〝コルチゾール 〟が過剰に分泌されていき、自律神経や脳は大きなダメージを負うことがわかっています。これにより鬱になったり、不安・心配・恐怖が強まったり、情緒不安定になったり、いろいろな不具合が生じます。

過去や未来に想いを馳せることは悪いことではないのですが、それが悪い方向にいくと、強いストレス反応を引き起こし、心身を壊す原因にもなりえます。

そのため一時的に、過去や未来のことから離れて〝今〟に集中する時間を持つことが大切だと言われます。そこで効果的なことが瞑想なのです。

瞑想で心の揺れを制御する

インドでは、心は〝ウィスキーを飲んだ猿が、蜂にお尻をさされた状態〟という比喩があるようです。その猿を想像してみてください(笑)。それくらい心は落ち着かず、忙しなく飛び回る性質があると言われています。心は過去や未来を縦横無尽に跳び回り、心を振り回します。

心を心で制御するのは難しいため、ヨーガでは最初に身体を動かしながら心にアプローチする方法をとります。筋肉の緊張が緩むと気持ちも落ち着きます。そうやって少しづつアーサナ(ポーズ)をかさね身体が心地よく整ったら、今度はプラーナーヤーマ(呼吸法)で自律神経や脳を調整します。

プラーナーヤーマは自律神経や大脳辺縁系(情動を司る脳の領域)に働きかけ、そこを穏やかに鎮める効果があります(※関連記事『ストレスとプラーナーヤーマ』
https://tokyo-yogacenter.com/blog/about-yoga/3803/ )。

そしてプラーナヤーマが終わった頃にはかなり静かで落ち着いた状態になっています。その状態から、最後に瞑想へ向かいます。

このポーズ呼吸法瞑想この流れで行うことが、いきなり座って瞑想するよりも、圧倒的に効率がよく効果的で、集中した状態で瞑想をすることができるので、大変おすすめです。

瞑想中に雑念と呼ばれているもの

ヨーガセンターでは自然呼吸を対象にした瞑想法を行います。

呼吸に心をむけて集中します。呼吸から心が離れたら、また引き戻す。これを繰り返していくと、少しづつ想念に心が左右されなくなっていき、集中力が高まっていき、やがて瞑想状態が訪れます。

瞑想中は過去のこと、未来のこと、いろいろな言葉・感情・想い・記憶が〝自動的に〟想起されてきます。これを皆「雑念」だと思い、「集中できていない」「失敗している」と思ってしまいますが、これは雑念ではありません。心の表層~深層から〝自動的に〟湧き上がってくるものです。心身をリラックスし静めたからこそ、心から湧き上がってくるもの。認識できるものです。

この〝自動的に〟想起されてくるものを、自分の意思で捉えて〝能動的に〟考えてしまうと、思考はどんどん膨らみ、それはまさに雑念になっていき、妄想になっていき、心は迷走していきます。そのようにネガティブな想いも増幅していきます。

しかし〝自動的に〟湧き上がってくる言葉・感情・想い・記憶を〝能動的に〟捉えることなく、静かに見守る/観察することができれば、それらはどんどん流れて消えていきます。

その状態になるためには〝今〟起こっている呼吸の流れに、心を向けていくこと。それによって達成されます。心を〝今〟に引き戻すことによって、過去や未来から一時的に離れることで、心の患いや憂いは弱体化/除去されていきます。


瞑想のあとはとても心が純粋で平安な状態になります。そのような心の状態で〝嫌な思い〟をした出来事を思い出したとしても、心は葛藤や苦痛を起こさない状態になっていたりします。〝嫌な思い〟を引きずらなくなります。それは瞑想による尊い効果の一つだと僕は思います。

〝嫌な思い〟と思っていた出来事から違う解釈、自分が成長するためのヒントを見出すこともさえあります。
また純粋で平安な心で思い巡らす過去や未来は、ポジティブで希望が溢れたものとなり、今を生きる力にもなると思います。

ヨーガ→瞑想を習慣化し〝嫌な想い〟を今に持ち越さず、平安な気持ちで、今日も良い時間を過ごしていきましょう!

(すなお)

【関連記事】
●瞑想の準備は出来ていますか?
https://tokyo-yogacenter.com/blog/about-yoga/2199/

●ヨーガ瞑想
https://tokyo-yogacenter.com/blog/about-yoga/230/

●瞑想中に雑念が止まりません
https://tokyo-yogacenter.com/blog/about-yoga/255/

関連記事

体験申し込み 体験申し込み

ページを表示できません。
このサイトは、最新のブラウザでご覧ください。