瞑想講座『ヨーガの伝統文献から見る瞑想 / 理論と思想背景について』レポート
目次
瞑想はヨーガの主要な練習です
瞑想瞑想!
と声高に言われるようになり、数年。
マインドフルネスブーム。
オシャレ風に幻想的にパッキングされた数々の瞑想セミナー。
正直、私たちは居心地悪い気持ちでした。
瞑想が健康にいい。
瞑想ってすごそう。
瞑想は脳に良さそう。
瞑想すると頭スッキリする。
たしかに、続けるとそのような副次効果はあります
しかし瞑想だけが分離して歩いていることに、ヨーガに携わるものとしては、違和感しかないよ!でした。
(アーサナ/ポーズだけがヨガだと認識され、独り歩きしていた現象と同じような感じで)
なぜならば、瞑想はヨーガの主要な練習だからです。ヨーガの多彩な練習は瞑想へつながっていきます。
そんななか東京ヨーガセンターにも、瞑想に興味があるという新規会員様が増えてきました。
そして数年一緒にヨーガをずっと続けてきた既存会員様にも、瞑想への興味、練習の比重が高まってきたので、今回「瞑想講座」を開催してみました。
ヨーガ/瞑想は、自分の努力によって、自分を変容させる修練
瞑想は、自分を見る(観る)ことを追求していきます。
瞑想では、普段では気づかないような、無意識下にある、自分の感情や記憶、思考や行動の癖、価値観、様々ことに気づくことができます。
そして自分にネガティブな影響を与えていることに気づくことで、それを少しづつ解放することができます。
長く果てしない作業ですが、続けていくことで自分の言動/思考の傾向をより善い/良いものにしていくことができます。
瞑想での経験と気づきは、自分の言動や想いにも影響を及ぼし〝自分の在り方〟や〝日常生活〟にさまざまな変容をもたらします。
世の中には「人は変わること出来ない」と信じる人もいますが、ヨーガ/瞑想はその価値観とは真逆に位置するものです。
ヨーガ/瞑想は自分の努力によって、自分を変容させる訓練です。常により良い/善い自分を目指していくチャレンジだと言えます。
それはヨーガ実践の背景にあるインド哲学の観点からも言えるし、現代の脳科学による瞑想研究のレポートを見ても、そう理解できます。
そのようなトピックスを踏まえて、今回の瞑想講座を構成しました。
ヨーガの伝統文献から見る瞑想 / 理論と思想背景
第1回目内容は
「ヨーガ哲学」をもとに、皆さんの理解の場となるよう、レクチャーと実習を行いました
講座の目指すことは
– 瞑想にはどのような目的があり、どのような段階を踏むか?を知ること。
– 瞑想の状態に至るために何が妨げになっているのか?を知ること。
– ヨーガ哲学を基に、心の構造、機能、性質、問題を見ていき、瞑想に至るプロセスを理解していくことです。
今回の講座に参加した皆さんは、そのあとのヨーガ/瞑想の練習で良い変化を感じてもらえたようです。
講座を受けた皆様の声
【レクチャーの感想】
・あらためてヨガにおける瞑想は、それ単独ではなくすべてがつながっているということ。そして体だけではなく、本当に心にかかわることなのだなということ。
・アーサナ・プラーマヤーマはより良い瞑想のためやるものだと知れて驚いた。アーサナで身体の感覚に敏感になる、プラーマヤーマで呼吸の感覚に敏感になることで、瞑想の心の感覚に敏感になれるという部分にとても納得した。
・アーサナから瞑想が始まっている、ということにとても感銘を受けました。いままでどうにも意識が散漫でしたが、昨日のことや明日のことは一旦置いておいて今どのように感じているか、に集中したいと思いました。そのような時間はとても大切だと思いました。
・瞑想とは、魔法のように変化がもたらされるものではなくて、訓練、実践によって自分の内奥を見詰めることが叶い、外側の「自分ではないもの」への執着から手を離し自由になっていくことだと感じました。
・一般的にヨガというとフィジカルに重きを置いているきらいがありますが、ここでは心の方に重きを置かれていて、そういうヨーガが自宅の近くにあってラッキーだった。
・もうできる限り、毎日、続けるしかないと思いました。将来的に、毎日、家でひとりでもできるように、ここで訓練を積んでいきたい
・ヨーガ/瞑想することで、すごく自分が変わったが、なんで変わったのかは漠然としてよくわからなかった。でも今日の話を聞いて、自分の心身や生活に起こった変化に対して、合点がいった。なぜそれが起こってきたのか、理解できてよかった。
・「今、自分に来ているものは受け入れるしかないが、未来は変えることができる」というのが、とても素敵な言葉だと思いました。今来ているものを受け入れるために、ヨーガによって心と身体を鎮めていくというのが、ヨーガを実践していくために改めて自分のコアになっていく気がしました。
【瞑想実習の感想】
・講義の後の実践で、講義の内容を意識して瞑想をした結果、いつもよりも深いリラックス感を得ることができた。
・寝る瞑想、気持ち良かったです。その後の座る瞑想へ移行するのにとても集中しやすくなりました。終わってから、翌日も効果が持続していました。この流れに乗ってもっと習慣化したいと思いました。
・すごく気持ちのいい時間を過ごせました。今の自分はやはりいろいろなものにがんじがらめにされていて、素の気持ちや心が出せなくなっているように思いました。この実習ではそういうものから解放されたような気持ちよさがありました。
・瞑想がとても気持ちよくて、心がとても穏やかな気持ちになりました。
・仰向け姿勢の瞑想で深いトランス状態に入ったのか、今までにない感覚だった。
・とても短時間で集中出来たのにリラックスも出来良かったです。
・もっと瞑想したい!と思いました。
・アーサナやプラーナヤーマの意味がより深く理解できました。慣れてきたから適当になるのではなく、慣れてきたからより深くするようになるというのは、なるほどと思いました。慣れにより、より深く実践できるように意識していきたいと思いました。
理論によって実践が変わります
熱心にご参加くださった会員さん方々。ありがとうございました。
実習がとても評判がよかったのはとても嬉しかったです。
それはレクチャーで理論を聞いたことが確実に大きかったと思います。
今回の講座でわかったこと、わからなかったこと、それぞれあると思います。
でも理論をインストールしたことによって、今はピンとこなかったところも、実習を続けるうちに、徐々にまた理解が進化するときが必ずきます。
表層的な言葉のみを知ることが理解ではなく、実践によってそれが理解され、身になってきます。
それを私たちもヨーガを実践するほどに思い知らされます。
だからこそ、知らないことを知るという、嬉しさ、喜びがあると思います。
そして何年も前に聞いたことが「あー!これってこういう意味だったのかー!!!」と体感したり、話したりすることで、気がつくことたくさんあります。
ヨーガはその楽しみが無限にある実習だと思います。
すぐには理解できないし、頭だけでは理解できないのです。
A=AみたいなのでなくA=A+Bが、A=A+B+C.、B=A+B+Cみたいな発展が、ヨーガの楽しいところなのではないでしょうか??!
今後も、頻繁にヨーガの理論に触れていただき、自分の経験に応じて理解を深めていただけたら嬉しいです。
2回目は7月31日(受付終了)
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